2026年10月01日

一人親方でも建設業許可は取れる?個人事業主の準備

一人親方でも建設業許可は取れる?個人事業主の準備

「一人親方だから、建設業許可は無理ですか」と聞かれることがあります。答えは、無理ではありません。個人事業主でも、要件を満たせば建設業許可を取れる可能性があります。

最近は、元請会社から「許可を持っていますか」と確認される場面が増えています。工事の金額だけでなく、安全書類、社会保険、請負契約書の整え方まで見られることがあります。つまり、一人親方・建設業許可・個人事業主の話は、将来の受注に直結する身近なテーマです。

ながつき行政書士事務所では、建設業許可を考える一人親方の方に向けて、書類だけでなく「今の働き方で要件に届くか」を一緒に確認しています。

目次

  1. 一人親方が建設業許可を考える場面
  2. 個人事業主でも見られる許可要件
  3. 申請前にそろえたい日々の記録
  4. 迷った時に早めに確認したいこと

1. 一人親方が建設業許可を考える場面

一人親方でも、すぐに建設業許可が必要とは限りません。建設業法では、軽微な建設工事だけを請ける場合、許可が不要とされる範囲があります。

代表的には、建築一式工事以外では税込500万円未満の工事です。建築一式工事では、税込1500万円未満、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅工事などが目安になります。

ただし、ここで油断しやすい点があります。材料費込みで考える工事や、追加工事が出る現場では、最初の見積もりより金額が大きくなることがあります。「まだ小さい工事だから大丈夫」と思っていたのに、契約時には許可が必要な範囲に近づくこともあります。

元請から大きな工事を任されそうな時、下請として継続的に仕事を受けたい時、屋号を育てたい時は、早めに建設業許可を考える時期です。許可は、明日ほしいと思ってすぐ取れるものではありません。

2. 個人事業主でも見られる許可要件

「一人で仕事をしているから、会社より不利ですか」と不安になる方もいます。実際には、個人事業主か法人かだけで決まるものではありません。見られるのは、許可を受けるための中身です。

主に確認されるのは、次のような項目です。

  • 経営業務の管理をきちんと行える経験があるか
  • 工事の技術を証明できる人がいるか
  • 財産的な基礎があるか
  • 欠格要件に当てはまらないか
  • 営業所として使える場所があるか

少し難しく聞こえますが、意味はシンプルです。工事を任せても大丈夫な経験、技術、お金の土台、信用、事務所の場所があるかを確認されます。

たとえば技術の要件では、資格証や実務経験が関係します。資格があれば話が早い場合もありますが、資格だけで必ず足りるとは限りません。逆に、資格がなくても実務経験で確認できる場合があります。

ながつき行政書士事務所では、まず「どの業種で許可を取りたいか」を整理します。内装仕上工事、塗装工事、管工事など、業種が違うと見る書類も変わるからです。ここを間違えると、せっかく許可を取っても受けたい工事に合わないことがあります。

3. 申請前にそろえたい日々の記録

建設業許可でつまずきやすいのは、腕前そのものではありません。仕事をしてきた証明が残っていないことです。現場で長く働いていても、書類で示せないと審査では伝わりません。

個人事業主の一人親方が普段から残したいものは、次のような記録です。

  • 請負契約書、注文書、請書
  • 請求書と入金が分かる通帳
  • 確定申告書の控え
  • 資格証や講習修了証
  • 現場名、工事内容、期間が分かる資料

大切なのは、書類同士のつながりです。注文書に工事名があり、請求書に同じ相手先があり、通帳で入金が分かる。このようにつながると、仕事の実態を説明しやすくなります。

反対に、口約束だけで仕事を受けていると、あとで困ることがあります。昔からの付き合いだから大丈夫と思っていても、許可申請では客観的な資料が必要です。

私たちは、書類をただ集めるだけでなく、足りない部分をどう補えるかも確認します。もちろん、ない書類をあるように作ることはできません。だからこそ、今ある資料を正しく並べ、今後残すべき記録を決めることが大切です。

4. 迷った時に早めに確認したいこと

建設業許可は、工事を受ける直前に考えると間に合わないことがあります。とくに一人親方の場合、現場に出ながら書類を集めるため、思った以上に時間がかかります。

早めに確認したいのは、次の内容です。

  • 受けたい工事がどの業種に当たるか
  • 軽微な工事の範囲を超えそうか
  • 経験や資格を証明できる資料があるか
  • 確定申告や通帳の記録が整理されているか
  • 営業所として使う場所に問題がないか

この確認を先にしておくと、元請から「許可はありますか」と聞かれた時に慌てにくくなります。すぐ申請できる状態なのか、半年ほど準備が必要なのかも見えてきます。

ながつき行政書士事務所では、個人事業主として働く一人親方の方が、建設業許可に向けて何から整えるべきかを一緒に確認しています。許可が取れるかどうかは、働き方や残っている書類によって変わります。

「自分は対象になるのか分からない」という段階でも問題ありません。工事の種類、請負金額、これまでの経験を整理するだけで、次に取るべき行動が見えてきます。建設業許可を将来の仕事につなげたい方は、早めに準備を始めることをおすすめします。